JR-03
POMPOUS COUNTER CHAIR

ロワイエの家具は、新素材による機械生産を用いず、代々受け継がれた伝統的な工法により制作されます。これは当時の他のデザイナー、たとえばイームズやエーロ・サーリネンが成形合板やグラスファイバーなどの新素材を使用していたこととは一線を画しています。EDITORAの有機的でふくよかな曲線もまた、職人の手によって削り出される緻密なディテールで、ロワイエの作品のごとく彫刻的なうつくしさを表現しています。

Size

W.570 × D.560 × H.990
SH.780

Material

FRAME: OAK
SEAT & BACK: UPHOLSTERY

SPECIFICATIONS
ROOTS
Reinterpreted Works of
Jean Royére
France (1902 - 1981)
ジャン・ロワイエの感性
ユーモラスと伝統

ジャン・ロワイエは20世紀フランスミッドセンチュリーを代表するデコレーター・家具デザイナーです。その個性的な作品は一部ではカリスマ的なステータスを持つほど。彼は1902年にフランスのパリで生まれ、当初は貿易家としてのキャリアを進めていましたが、29歳でインテリアデザインの世界へと転身。フォーブール・サン・アントワーヌの家具工房で、パリで受け継がれてきた最高峰の技術を学びます。彼はすぐに独自性を発揮。自由な発想とエレガンスに魅了された富裕層が顧客となり、さらに中東、南米の王族がパトロンになるなど華々しい国際的なキャリアを築きました。

ロワイエが高く評価される理由は、そのデザイン哲学と特徴的なデザインアプローチにあります。彼は機能的な価値だけでなく、感覚的な楽しさも重視し、ユーモラスで親しみやすさを取り入れることで、一見、贅を尽くしたインテリアでも人々が日常生活の中でリラックスして楽しむことができる空間をつくり出しました。また彼の作品は、独創的な形状と豊かな色彩、そして高品質な材料を用いたことで知られています。

「ポーラベア」ソファ (1947)

なかでも象徴的なのが「ポーラベア」ソファ。こだわり抜かれた生地選びと丸みを帯びた形状が、北極の氷の上を歩くポーラベア(しろくま)を思わせることから名付けられたそうです。大きなサイズ感と色彩は、視覚的なインパクトだけでなく、極めて快適な座り心地を実現しています。「ポーラベア」シリーズは多くのアート蒐集家やセレブリティに愛され、一部ではステータスシンボルともなっています。衰えない人気は、ロワイエの時代を超える洗練されたデザインと高いクラフツマンシップの証左と言えるでしょう。

EDITORAのPOMPOUSシリーズは、ロワイエの「ポーラベア」シリーズの影響を受けたプロダクト。オーバーサイズで丸みを帯びたフォルム、ユーモラスさと遊び心を含んだデザインアプローチで表現しました。有機的な曲面は、すべて職人の手によって削り出されたフォルム。ロワイエの作品集に掲載されていた木部だけの写真をヒントに木枠を組み上げ、肉付けされたウレタンを手仕事によって彫刻のように成形。彼がこだわり続けた技法を継承しています。