EG-01/EG-02
SULLY

アイリーン・グレイの別荘「E1027」で使われていた椅子〈ノンコンフォーミスト(非協調主義者)〉からインスピレーションを得たこのモデルは、一見不安定なバランスの中に座り心地と機能性を隠しています。木アームとクッションの固定には極太のスペーサーを用いて浮遊感を出し、肉感ある背・座・肘置きクッションがそれぞれ独 立した存在感を有しています。全体的な丸みと独特の存在感は、非協調主義的なムードを以て空間に新たなハーモニーを創造します。

Size

(EG-01) SULLY :
W.790 × D.770 × H.700
SH.430

(EG-02) SULLY(S) :
W.710 × D.670 × H.650
SH.400

Material

FRAME: RED OAK & SUS
SEAT & BACK: UPHOLSTERY

SPECIFICATIONS
ROOTS
Reinterpreted Works of
Eileen Gray
Ireland (1878 - 1976)
アイリーン・グレイのまなざし
新と旧、形と機能の調和

アイリーン・グレイは、アイルランド出身の建築家・デザイナーで、モダンデザインの先駆者として20世紀初頭に活躍しました。彼女はロンドンのスレイド美術学校で芸術を学んだのち、パリに移住。日本人学生の菅原精造から学んだ漆工芸を用いた家具とインテリアデザインで評価を得ました。

彼女のデザイン哲学は物事の本質に迫ること。美的魅力だけでなく機能性と快適さも重視しました。その結果、シンプルでありながらも洗練され、個々の要素が統合された全体的なうつくしさを持つ作品が生まれました。また彼女は、インダストリアルデザインの素材と伝統的な工芸技術を組み合わせ、あらたな素材を使用して調節可能な家具をつくり上げました。ステンレススチール、アルミニウム、ガラスといった当時の新素材を用いて、アールデコや東洋のデザインの影響を受けた美しい形状に仕上げたのです。代表作「E-1027サイドテーブル」や「ビベンダムチェア」は現在でも絶大な賞賛を受けています。

「ビベンダムチェア」 (1929)

「ビベンダムチェア」は、タイヤメーカー〈ミシュラン〉のキャラクターから名前を取り、タイヤを積み重ねたような形状が特徴。ボリュームのあるクッションが座った人を包み込むユニークな構造です。その豪華さとシンプルさ、革新性が評価され、モダニズムデザインの象徴として認知されています。

EDITORAのチェアは、フォルムと機能の調和を追求しています。座る人の快適性を最優先に設計し、グレイの「ビベンダムチェア」に見られるあたらしい素材や技術への敬意を持って取り入れています。挑戦的な形状ながら、グレイのユーザー中心のアプローチに見た美学を具現化しています。